2015年1月5日月曜日

【ネタバレ】プレイヤーの妄想を最大限認めるゲーム、セカンドノベル

さて。

セカンドノベルは開始から数日でゲーム自体はクリアし、ゲームの感想や考察をしばらく漁った。
その経緯で、ある程度の真相は自分の中で固まった。
例えば、彩野は直哉を好きだったが、雪乃との物語通りに演じようとして一連の不幸が起きた、とか。

しかしながら、イマイチ締まらない状況が続いていた。
この状況証拠から成る真相を、真相としてよいのだろうか、という葛藤。

そこで、ゲームの作者である深沢豊氏に立ち返ってみる。
彼の属するチームの名前が「テクスト。」であり、御自身の発言からもテクスト論を念頭に置いていることがうかがわれる。

テクスト論

文章を作者の意図に支配されたものと見るのではなく、あくまでも文章それ自体として読むべきだとする思想のことをいう。文章はいったん書かれれば、作者自身との連関を断たれた自律的なもの(テクスト)となり、多様な読まれ方を許すようになる。これは悪いことではなく積極的な意味をもつのであり、文章を読む際に、常にそれを支配しているであろう「作者の意図」を想定し、それを言い当てようとするほうが不自然であるとする。

つまり、これまで深沢氏のゲームがずっとそうであったように、このゲームもプレイヤーの好きに解釈して良い、ということでもある。
(論文などではなく、エンタメとしてのゲームなら、このくらい乱暴な解釈も許されるだろう)

以上をふまえ、ハッピーエンド厨である自分が出した結論は、あのエンドカードこそが真実である、ということだ。
あの物語自体は、学園祭の出し物として実在の人物をモデルに書かれたものであり、誰も死んでいないし、誰も不幸になっていない、という。
自分がそうであって欲しいと願った、だからこの物語はハッピーエンドなんだ。
誰が何と言おうと、自分の中ではそれがこのゲームについての答え、である。